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伴走方法


伴走者の役割は、視覚に障害のあるランナーが、
安全に、安心して、ランニングを楽しめるよう、サポートすることです。
ランニングの好きな人なら誰でも伴走できます。伴走によって単独走とは違った喜びを得られるはずです。是非積極的に伴走にチャレンジして下さい。


視覚障害ランナー

準備するもの

1. 伴走ロープ
1メートル程度のロープを輪にして使用します。軽くて柔らかく、あまり細すぎない物が使い易いです(直径1センチ位が適当)。短すぎると身体がぶつかって走りにくく危険です。ある程度の長さがあった方が腕が振りやすいですが、長すぎると二人の間を他のランナーが突っ切る事もあるので注意しましょう。
最近はカラフルな色の物もあります。目立つ色の物を使えば視覚障害者ランナーであることが周囲の人に良くわかってもらえるでしょうし、紛失防止にもなります。通常はランナーが自分で用意していますが、紛失等に備え、伴走者も1本用意しておくのが望ましいでしょう。

伴走ロープ写真

2. 伴走ビブス
最近はロープを持って走っているのが視覚障害者だという認識が一般ランナーにも定着してきました。しかし、大会などたくさんの人の中で走る場合は、周囲のランナーに視覚障害者と伴走者が並んで走っていることがはっきりとわかるようにします。
伴走のゼッケンを付けるか、伴走者であることがわかるビブスやシャツを着用するのが望ましいです。こうしておけば、2人並んで走っていても、周りのランナー達がぶつからないように気を付けてくれますし、伴走者がゼッケン無しの参加者と間違われる事も避けられます。
大会によっては、伴走用のゼッケンを主催者で用意してくれる場合もありますが、伴走ビブスを自分で用意しておくのが望ましいでしょう。

伴走ビブス写真

練習会で伴走の基本を身につけよう

1) 伴走者とランナーの組合せ
背格好、歩幅がほぼ同じであることが理想です。手の振り、手の位置、足の運びが大きく違うと、ランナーも伴走者も疲れてしまいます。
走力は、伴走者がランナーより1㎞につき1分程早いのが理想です。つまり、ランナーがキロ6分の走力なら、伴走者はキロ5分程度が望ましいということです。
2) 伴走者の位置
ランナーの左右どちら側につくかは最初に確認します。危ない場所を除いては、基本的にはランナーと伴走者は横並びか伴走者がやや前を走ります。一般的に伴走者がやや前を走るほうが安全でランナーにとっては安心して走れます。なぜなら、後ろから緩んだ伴走ロープで指示することがやりにくいのと、ランナーが少し前にいる伴走者の動きを感じ取って止まったりする時に、ワンテンポのゆとりを持てるからです。先頭を切って突き進む時と、後ろから付いて行く時のことを比べれば、比較にならないほど付いて行く方が安心感があります。(注: 国際大会等、公式のレースでは伴走者が前に出ると、引っ張ってアシストしたと見做され失格となります。)
3) 腕の振り
ランナーと伴走者は、出来れば腕の振りを合わせ、自然に腕が振れるようにします。二人三脚のつもりで足運びを合わせると、自然に手もあうようになります。お互いがリラックスして腕を振れるような安定したペース作りを心がけましょう。
4) 走路の変化の伝え方
坂、カーブ、段差、凹凸などは少し手前で「約5メートル先、右に90度のカーブ」という具合に、方向と距離を具体的に知らせます。さらに直前でもう一度、「ここから曲がります。5,4,3,2,1,0。曲がり終わりました」というように知らせます。
伴走者側に曲がる場合は、軽くロープを張っていれば、ランナーもロープに引かれて自然に曲がれます。
しかし、ランナー側に曲がる場合は、事前に知らせるとともに、ランナーがぶつからないように伴走者が少しスピードを上げるか、手さばきでロープがたるまないように誘導します。
坂の始まりと終わりも意外とつまずきやすいので必ず知らせます。なるべくランナーが安全な場所を走れるよう、常に路面を選びながら走って下さい。又、子供やお年寄り、自転車や犬、ボール遊びなど、接近してきて危険が予想される場合は、早めにコース取りを決めて安全に誘導するようにします。視覚障害ランナーは突然、又は急激な進路変更や停止には対応できない場合があります。早め早めの予防行動が大切になります。
5) 狭いところでは
杭や電柱、セーフティーコーン、路面の凸凹など、2人が横並びに走ると狭くて危険な場所では、伴走者が前に出て、斜め後ろか、真後ろにランナーが付いてもらうようにします。
状況に応じて、端によける、止まる、腕をつかむ、肩や腕に捉まって走ってもらう等をして危険を回避します。
緊急危険回避の場合は、躊躇せずに視覚障害ランナーの身体を抱きかかえて停止させます。
ランナーが路肩側を走っている場合は、路肩やガードレールなどにも注意します。
又、足下ばかりではなく、伴走者の反対側や頭上の枝などにも気をつけましょう。
話に夢中になって、安全確保がおろそかにならないようにし、伴走中は、常に上下左右広い範囲に注意を払って下さい。
6) 周りの状況を伝える
視覚障害ランナーは、周囲の様子が分かりません。
伴走に慣れて安全確保が十分にできるようになったら、例えば「梅の花が咲き始めました」といったように周囲の状況を伝えてあげて下さい。
キロ表示 、建物、木々、花々、応援の様子、知り合いのランナーとの出会いなど話していただけるとありがたいです。
伴走ランニングの楽しみは、走ることだけでなく、コミュニケーションにもあります。色々な情報を獲得する数少ないチャンスです。
又、伴走者が危険がないと判断して何も言わないでいても、車や自転車の接近音や人が騒いでいる声が聞こえると、 音からだけでは視覚ほどの確実な距離感をつかむことができず、視覚障害ランナーはとても不安になるものです。そのような時は「後ろから車が来ますが、大丈夫です」などというように知らせて下さい。
7) シューズのヒモなど
走り始める前や途中でも、服装、帽子、シューズの紐などに気を配ってください。
シューズの紐がほどけたりして止まる必要があるときは、急に止まらずに「左によけてから止まりましょう」というように指示し、後続のランナーに注意しながら止まりましょう。

さらに大会では

  • 準備・・・
    大会に参加する際は出来るだけ事前に練習し、ペース配分などをよく話し合っておきましょう。
    特に安全への心配りなどで、ランナーから信頼感をもってもらうことが大切です。
  • ロープ・・・
    ぐいぐい引っ張られると腕が振りにくいですし、大会では走力援助という違反行為になります。
    又、スタートの混雑時や障害物がある場合はロープを短く持つか、肘などに捉まってもらうようにします。
  • 周りの状況を伝える
    特に注意を要する場所でなくても、周りの状況を話してあげましょう。キロ表示、建物、木々、花々、応援の様子、知り合いのランナーとの出会いなど、自分が楽しんでいる風景を言葉にするように心がけましょう。
    坂道は晴眼者でも残りがどのくらいか気になるもの。「あと、何メートルくらいで終わりです」などと教えてあげましょう。また、伴走者が危険がないと判断して何も言わないでいても、車や人が騒いでいる音が聞こえると不安になるものです。「後ろから車が来ますが大丈夫です」などという具合に知らせましょう。
  • 進路変更
    進路変更時に後方から走ってくる一般ランナーにも注意を払う必要があります。
  • 一般ランナーとの関係
    大会中は、周りのランナーと足が絡まったり、足を踏んだり踏まれたりしないよう、少しでも危ないと感じたら周りに声をかけましょう。特に前のランナーを追い越すときは 2人分のスペースを確認してから「右から失礼します」などと声をかけます。よけて通してくれた人には、お礼を言いましょう。又、障害者ランナーを追い抜いた途端、スピードを落としてしまう一般ランナーがいます。この時、視覚障害ランナーがそのランナーに追突したり、かかとを踏んでしまうことがあり、2人とも転倒する場合もありますので、伴走者は特に注意が必要です。レース中は疲れると自分のこと以外に注意を払う余裕がなくなりがちです。「気がついてくれるだろう」と勝手に判断せず、こちらから積極的に危険を回避するようにしましょう。 
  • エイドと給水
    エイドに何があるかを説明して、伴走者が先に取って渡します。特に大会中のエイドは、後方から走ってくるランナーが多く、混雑して危険です。他のランナーに突き飛ばされないような場所を選ぶようにしましょう。
  • その他
    走り始める前や途中にも、服装、帽子、シューズの紐などを確認します。
    周りのランナーと足が絡まったり、足を踏んだり踏まれたりしないよう、少しでも危ないと感じたら周りに声をかけましょう。特に前のランナーを追い越すときは2人分のスペースを確認してから「盲人ランナーが前へ出ます」と声をかけます。

知的障害ランナー

対応は一人ひとり異なります。
事情をよく知った方に話を聞くことから始め、自身でもランナーの様子をよく把握し、横か後ろで補佐する気持ちで一緒に走ります。
ランナーの走りが他の人の迷惑にならないように見守って下さい。
ランナーと一緒にいる時間を大切にし、一緒にいることが自然になってから走りましょう。
どんな場合も怒らず、わかりやすい言葉でひと言、ふた言で声をかけましょう。たくさんの言葉を一度に言うと頭が混乱します。「頑張って」と言わずに、「終わったら好きなことをしましょう」と励ます方がわかりやすいようです。そして、走り終わったら一緒に喜びましょう。

> 走り方は皆違います。途中で止まったり、ダッシュしたり、色々な走りをするランナーがいます。ひとつのやり方を押し付けずに、ランナー一人ひとりに合ったやり方を探して下さい。
なお、自閉症などのランナーに見られる独り言などは聞いているだけでも、特に心配はありませんが、何を伝えたいのか、何を表現したいのかと、その方の立場に立って考えて接すると、より理解が深まると思います。 又、声の指示よりも、絵カードなど視覚的な指示がよいようです。
周回数などは、牛乳瓶のふたなどを減らしていって、なくなったら練習が終わりなどと、見通しを持てるようにすると良いでしょう。
無理にノルマを課して走らせるようなことはせずに、少しずつ距離を伸ばして、走ることが楽しくなるように配慮して下さい。又、強く嫌がる場合には、練習を中止して下さい。